大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)438 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人鍛治良道の上告趣意第一点について。

被告人が実刑を科せられたためにその家族が生活に困るということがあつたとし

ても、その刑を言い渡した判決が憲法二五条その他の規定に違反することにはなら

ないこと、当裁判所の判例(昭和二二年(れ)第一〇五号同二三年四月七日大法廷

判決、昭和二二年(れ)第二〇一号同二三年三月二四日大法廷判決等)に徴して明

らかである。それ故原判決には所論のような違法はなく、論旨は理由がない。

同第二点について。

国選弁護人に給する報酬を訴訟費用として貧困な被告人に負担せしめても、憲法

三七条三項の違反とならないこと、当裁判所の判例(昭和二四年新(れ)第二五〇

号同二五年六月七日大法廷判決)の示すとおりである。それ故原判決には所論のよ

うな違法はなく、論旨は理由がない。

同第三点について。

記録を調べてみると本件第一審公判における証拠調は所論のとおりの順序でなさ

れたのであるが、その手続が違法であるという主張は控訴審においてなされていな

いから、原判決にはこの点に関する判断は含まれていない。従つてこの点に関する

主張は上告の理由として許されないこと、当裁判所の判例(昭和二四年新(れ)第

二七二号同二五年五月二日第三小法廷判決)に徴してみても明らかである。

以上のように本件には刑訴四〇五条に定める上告の理由がないこと明らかである

のみならず、同四一一条を適用すべき事由も認められないから、同四〇八条、一八

一条に従い主文のとおり判決する。

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この判決は裁判官全員一致の意見によるものである。

昭和二五年一二月一二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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